こんにちは、HYBRIDE採用チームです。
HYBRIDEでは、各コンサルタントの専門領域をお互いに共有する取り組みを推奨しており、今回はその一環として開催した、製薬業界に関する研修についての研修内容についてご紹介します。
今回の研修は導入編の位置づけで、製薬業界の経験がないメンバーを対象に、初歩的な内容を中心としています。

■①製薬は製造業、ですが…

資料1
製薬会社はくすりを製造して販売する製造業ですが、他の製造業と単純にひとくくりにはできません。独特のルールや法律などがある、ちょっと特殊な業界です。

たとえば、自社の商品の定価を決めるのが自社ではなく国であること、自社営業担当(MR)は顧客である医師がいる医療機関を訪問し商品であるくすりの宣伝等を実施しますが、できるのは宣伝だけで「お安くしますので是非」とは言えないこと(価格交渉ができません)、景気が悪いからといって「病院に行くのやめる」という人はあまりいないため景気に左右されにくいこと、等が挙げられます。

■②くすりが世に出るまで

資料2
新しいくすりが世に出るまでの道のりはスライドの通りなのですが、この研究や試験などの開発には長い年月と莫大な研究費が必要で、平均で9.2年という時間と484億円というお金がかかります。また、基礎研究で作られた化合物が実際にくすりとなって世に出る確率は6,000~30,000分の1程度、という気の遠くなるような確率です。

余談になりますが、最近CMでも見かけるジェネリック医薬品(後発医薬品)は特許が切れた成分で作られたくすりです。くすりの特許期間は20年ありますが、基礎研究段階で特許を取得しますので、くすりとして世に出てきたときには既に10年近く経過しています。特許が切れるとジェネリック医薬品のシェアが急増し先発医薬品の売上が激減するため、残りの約10年でどれだけ売れるかに先発医薬品メーカーの命運がかかっています。

■③有害事象と副作用、似ているけれど違います

資料3
「副作用」という言葉はよく耳にすると思いますが、その定義をご存じでしょうか。よく似た言葉に「有害事象」があります。
有害事象はくすりを服用した後に起こるあらゆる好ましくない事象のことを指し、副作用はくすりとの因果関係が否定できない有害事象のことを指します。たとえば、副作用に「めまい」があるくすりを飲んだ後に階段でめまいがして転んで骨折した場合、骨折は有害事象、めまいが副作用になります。そのくすりにはめまいを起こす力はありますが、直接骨を折る力はないからです。

ただ、実際は起こった現象(この場合はめまい)の原因がそのくすりの副作用であると特定するのは難しいこともあります(めまいを起こす他のくすりも同時に服用していてどちらのくすりが原因かわからない、もともとの病気の症状にめまいがあって病気の症状なのか副作用なのか分からない、など)。そのため、くすりの副作用は「因果関係がある」ではなく「因果関係が否定できない」という表現になります。

■④くすりは正しく怖がろう

資料4
くすりの副作用がメディアで大きく報道されることがありますが、正確な情報が中立な立場で報道されているかというと、残念ながら必ずしもそうとは言えません。特にワクチンの副反応(ワクチンの場合は副作用ではなく副反応といいます)は過去何度も騒がれてきましたが、報道の多くは「投与したことによるリスク」でした。
死亡例をきっかけとして社会問題となったワクチンの投与が避けられた結果、罹患者・死亡者が増えた例が過去にありますが(百日ぜき)、そのような「投与しないリスク」についてはあまり報道されない印象があります。

副作用が報道されたくすりには漠然とした「副作用が怖い」というイメージがついてしまいがちですが、くすりには必ず副作用があります。リスク(副作用)を上回るメリット(効果)があるかどうか冷静に考えてから、投与するかしないかを判断していくことが求められます。

■研修を終えて

HYBRIDEはいくつかの業界に強みを持っており、その中でも最も得意とする業界が医療・製薬のヘルスケアに関わる業界です。

コンサルタントとしてクライアント企業の問題解決に真摯に取り組む上で、クライアント企業やその業界のこと、特にこうした独特の法律や商習慣のある業界全般的なことを知っておくことは欠かせないことです。こうした知識を活かしてこそ解決できる問題も少なくありません。

HYBRIDEはそうした知識・経験を持っているメンバーも多く、そのシェアを目的とした勉強会を活発に行ってい、メンバー全体のレベルアップを続けています。より多くのサービスを提供できるように、コンサルタントとして最適なソリューションやサービスの提供をできるように、これからも日々精進を続けていきたいと思います。

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